軽度知的障害

大人の軽度知的障害【こんなことに気を付けよう!】

  • きょうだい児の立場から発信
  • 22歳で軽度知的障害と診断された妹



自分の身の回りのことは、ある程度1人でできる、大人の軽度知的障害


私の妹の場合、IQ=63・精神年齢は8歳程度


精神年齢だけで見た時に、8歳に何もかもを一人でやらせるのか?と言えば、答えはNOだと思います。


やはり、サポートやある程度の規制が必要なものもあります。


結論、車の運転SNSお金には気を付けよう!



妹のケースを元に、大人の軽度知的障害者が、気を付けた方がいいことを解説していきます。


車の運転

運転免許を取得するまで

高校生の時に、車の運転免許を取得した妹。


進学予定の専門学校へは車で通学予定だったので、高校の在学中に運転免許を取得しました。


軽度知的障害があっても運転免許は取得可能です。


しかし!その免許の本試験に10回落ちてからの、11回目の受験で妹は合格しました。


テストの文章を読むこと、その内容を理解すること。そのどちらも彼女にとっては少し難しかったのだと思います。

事故

さぁ、なんとか免許を取得し、車も準備ができた。


そして初めて自分で車を運転した日、彼女は接触事故を起こしました


信号待ちをしていた前の車に、ぶつかったそうです。(停止しようとして、車間距離がきちんと取れていなかった


この事故を起こした際、妹は父に連絡し、父が駆け付けた時には、ただただ茫然と立ち尽くしていたそうです。


免許を取得して、最初の2年で、計4回の接触事故、物損事故を起こしました。


交通マナー

車を運転する上で、さまざまな交通マナーがありますよね。

例えば

  • 渋滞の合流は1台ずつ
  • 高速道路で渋滞したら、ハザードを点灯して後続車に伝える
  • 道を譲ってくれた時にはお礼をする
  • 対向車、前方車があるときはハザードビームをつけない 等




妹は、道路標識に従うなどの、交通ルールは理解できます。

しかし、この交通マナーが守れていないことがありました。


パッシング

曲がりたいけど、対向車が途絶えず曲がれない。そんな時、パッシングをしてくれる車が現れたら、あなたはどうしますか?

パッシングされれば、当然こちらが行っていいということになるのですが、


これが理解できていないのです。


「パッパッ」とパッシングされても、進まず、お互いに止まったままになります。


そして、しびれを切らした相手が先に進みます。


文字で知らされたでもなく、声をかけられた訳でもない、この合図をうまくくみ取ることができない例だと思います。


今の合図は、こちらが進んで良いということだよ!



と、車に同乗したときには伝えています。



でも次、また同じ状況になったときに、理解できず、対応ができません。



理解できていないのか、言われたことを忘れてしまうのか、ここは謎です。


車間距離



ある程度の車間距離を空けなければ、万が一前の車が事故にあったら、もれなく玉突き事故に繋がります。


また、車間距離を詰められている側の車は、後ろの車からの車間距離が近いと、あおられていると勘違いします。


これも何度も何度も注意しているのですが、妹の運転する車は、前の車に近づき過ぎます


妹に聞くと、運転に集中して、無意識にそうなっているそうです。


目に見えて、何mと記載されているわけではなく、自分の感覚でだいたいで距離を測る。


このなんとなくの行動が、彼女は苦手でできません。




運転免許を取得して、今10年ぐらい経ちますが、ここ2~3年は事故なども起こしていません。


やはり、時間はかかるものの、少しずつ運転技術が向上しているのだと思います。


少しずつではありますが、この運転技術の向上に伴い、車間距離も空けれるようになりました。


スマホ

健常者並みに、普通に使いこなすスマホ。


1日何時間見ているの?というくらい、夢中になってスマホを触っています。


料金


障害者手帳を取得していると、携帯料金が割引になるサービスがあります。

しかし!!!せっかく割引してもらえても、それを上回る課金ゆえ、使用料金が高額に・・・


格安スマホや、格安プランなども出ていますが、妹は格安スマホでも、格安プランでもありません。


現在のプランは、契約の際私が携帯ショップに同行し、その場で契約しています。




例えばdocomoの格安プラン。

ahamo



データ20GBまで使い放題で、とても魅力的ですが、インターネットからの受け付けのみしか行っていない!!


軽度知的障害者の妹が、契約行為を1人で最後まで遂行することは難しく、格安プランを申し込めないままでいます。


妹と同居している両親も、通信機器などには専ら弱く、代わりに行うことができていないのが現状です。
(私もかなり遠方に住んでいるので、そこまでやれていないです。)

現状、格安プランではないプラン+障害者手帳割引が利いているにも関わらず、月々の携帯電話の支払いは2万を超えます


妹の携帯料金は、妹の口座から直接引き落としされるようになっていますが、


「引落残高が足りません」という通知が何度来たか分かりません。


そのようなことがないためにも、格安プラン・格安スマホへの切り替えを強く勧めます。
(私も今度実家に帰省した際に、やらないとですね。)



【参考】格安スマホ



SNS


私が妹のことで対処した問題の中で、最も苦労したのがこのSNS


見えないところでいろんな人と繋がり、気が付いた時には時すでに遅しという事件もありました。


Twitter、Instagram、TikTok・・・

これらほとんどに登録し、アカウントを持っています。

そういうことは難なくできてしまうのです。(ここが本当に謎)

でもその先にある情報を、正しいかどうかをきちんと判断する能力を持ち合わせていません。


実際にSNSを通じて送られてきたメッセージ

  • マルチ商法勧誘
  • アダルト系の勧誘
  • 詐欺系



怪しい誘いはどんどん舞い込んできます。


一度、妹が悪質なサイトに登録をしたことがありました。


携帯ショップに行って、契約内容を確認してもらいました。すると


本来であれば、ここから解約の手続きができるのですが、このサイトは解約するためのURLの記載がありません。
これはとても悪質だと思います。
解約できないので、こちらから支払いを強制的に断ち切りる設定をしておきますね。



悪質な有料サイトに登録していたらしく、携帯の支払設定側から、強制的に支払いをできないようにしてもらいました。


が!しかし!!


翌月も謎の悪質な有料サイトの料金が引き落とされているではありませんか!!!


慌てて携帯会社に確認すると・・・


以前こちらに来られた翌日に、妹さんが1人で再び来られ、やはりそのサイト使いたいので

設定を解除してくれと依頼されに来ましたよ。




開いた口が塞がらないとはこのことです。


妹は自ら携帯ショップに出向き、せっかく止めた悪質サイトを、再び復活させたのでした。


皆さん、これを読んで不思議に思うでしょうが、こういうことは自分でできてしまうんです!!!!!


私も未だにこの辺が謎です。


だからSNSも、ある程度使いこなせているが故に怖い


実際、マルチ商法にもSNSから勧誘され、はまり、多重債務を背負うことにもなりました(この話はまた詳しく書きますね)

SNSについては、何も規制ができていません。


いつも、問題が起きた後の事後対処になってしまっています。


お金

これは、とてもシンプルです。

お金はあればあるだけ使います!



言い換えれば、自分の欲求をコントロールできないとも言えます。

妹の現在の手取りは約13万円。(障害者雇用枠で就労中)

就職の話はこちら




実家暮らしの妹は、両親と取り決め、月に1万円家に入れています。


食費、居住費、光熱費を1万円で賄えてしまうなんて、とてつもなく甘いですよね。(これは私から両親に対する不満)


そしてその1万円を引いた、残りの12万円が妹の1ヵ月で自由に使えるお金です。


先ほども言いましたが、これを全て使い果たしてしまします


何にそれだけ使っているかは謎ですが・・・


お金が足らず、家にお金を入れないときもありました。


それはあまりに酷いと思い、妹が乗っている車のローンと、携帯代を、妹の口座から引き落とすように設定しました。(本人にも了承得て)


欲求をコントロールできなければ、ある程度強制的なことも必要かと思います。


障害年金も受給しているのですが、それは普段は使わずに口座に残しています。(必要なときが来たときのため)


お金が足らなくなると、その口座から障害年金のを勝手に引き出していたこともありました。
(障害年金は普段は引き出さないと両親と約束していたにも関わらず)


私個人的には、一度1人暮らしをして、何にいくらかかって、どういうことにも支払いが発生するのかを学んでほしいと思っています。


今は実家暮らしなので、自分のお金が無くなっても、両親が助けてくれます。


厳しいようですが、物理的に助けがなく、本当の意味で一度困って欲しいと思っています。


本当の意味で困らないと、その時どういう風に対応すべきかを、学べないからです。


こんなことを母親に話すと「親ときょうだいの立場は違うから・・・」と言われてしまいましたが。


私は、両親がこの先亡くなった後も、妹のためにお金は残さなくていいと思っています。

残したお金で、あとの生活をどうにかするのではなく、自分で自分のことはどうにかできるように、今教えておくべきだと考えています。


残すべきはお金ではなく、生きる術を伝える事です


最後に


大人の軽度知的障害。気を付けなければいけないことはいっぱいあります。


試行錯誤の繰り返しです。


壁にぶち当たるたび、一緒に解決策を周りの人と見つけてきました。


軽度知的障害であっても、少しずつ学んだり、学習したりはできます。


私は妹に、カレンダーを使いながら「●●日に、いくら必要だから、この日までは○○円残しておこう」など


実際カレンダーに書きこんで、本人にお金の把握をしてもらったこともあります。


見た目が大人なので、ついつい本人任せにしてしまいがちですが、精神年齢は幼いということを忘れずに


気を付けるべきところは、周りがサポートしながら乗り越えていきましょう!





  • この記事を書いた人

ぷもち

35歳三姉妹の母(小学生・幼稚園・保育園)/ 軽度知的障害の妹を持つきょうだい児 / 生活支援員 / ブログ初心者

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