軽度知的障害

大人の軽度知的障害【特徴】

  • 軽度知的障害者の姉が、経験を元に情報発信
  • 福祉大学卒
  • 障害者年金を申請→受給に導く
  • 妹をマルチ商法から脱却!


大人の軽度知的障害って、いったいどこまで、自分でできるのかな?
サポートが必要なことって何なのだろう?



大人になって22歳のとき、軽度知的障害と診断されれた妹。


現状こんなことができて、こういうことはサポートが必要ということを妹のケースを元にお伝えします。


IQ=63
精神年齢は8歳ぐらいだと、医師から伝えられています



あくまでも、私の妹のケースです。個人差があると思いますので、参考程度にご覧ください。



1人でできること

食事・入浴・排泄

食べること、入浴すること、排泄することに関しては、問題なく1人で可能です。


調理に関しては簡易的なことはできます。

  • お湯を沸かしてインスタントラーメンを作る
  • 冷凍食品を電子レンジで温める


しかし、レシピを見ながら材料を切ったり、調味料を量ったり、強火にしたり、弱火にしたり・・・


一度に複数のことを同時進行しなければならない本格的な調理は、難しいです。

働く

現在妹は、障害者雇用枠で介護職員として病院に勤務しています。


毎日自分で目覚まし時計をセットし、起きて仕事に行っています。


次の日が早いと分かっていれば早めに寝るなど、自分で時間の管理をすることは可能です。


ただし、文字を書いたりするのは苦手で、職場では記録を書くなどの作業は免除してもらっています


今の職場が5カ所目です。働くこと、就職活動などについては下記の記事もご覧ください。


併せて読みたい!



車の運転


18歳で普通自動車運転免許を取得し、車も運転できます


毎日職場まで、自分の車で通勤しています。


ただし、問題もたくさんありました。

  • 本試験に合格するまでに、受けた試験の回数は11回
  • 免許取得後2年間の間で物損・接触事故4回




それでも少しずつ技術が上達し、直近の3年間は、無事故無違反です。


今年で運転歴11年になりました。


スマホを使う


スマホ、普通に使います。


むしろ私なんかよりよっぽど依存していると思います。


スマホを使えるということは、SNSも使えるということ。


Twitter、Instagram、TikTok、Facebook、全てアカウントを所持してます。


こういう登録などは、問題なく行えてしまう不思議・・・笑


しかし、その先にある情報が、正しいものかどうか判断するということが難しかったりします


両親や私の見えないところで、いろんな人と繋がり、問題が大勃発したこともあります。


また、スマホからクレジットカード発行も行っています。


カードが手に入ったことで、ネットショッピングもやりたい放題。


そして、カードの限度額まで使用してしまったなんてこともありました。


クレジットカード、できれば止めてしまいたいですね。取り上げるなり、使わないようにするのがベストだと思います。



一度相談した消費者センターの人に言われた言葉です。

私もそう思います。クレジットカードなんか、持たせないのがベストです。


しかし一度持ってしまい、便利さを知った以上、それを取り上げることはとてつもなく難しいです


なぜなら、本人の自由を制限してしまうから


私の妹は、何かうまく行かないことがあると「生きづらい世の中だ」と決まり文句を言います。


本人の自尊心と、実際に起こっている問題との狭間で家族は揺れます。


スマホは、使えるととても便利です。


でも、いろんな意味で使いすぎてしまうので、何か制限はかけれないものかと思う今日この頃・・・


このブログを読んでいる家族の方、ぜひともクレジットカードは最初から持たせないように気をつけてください!!




1人でできないこと



不測の事態の対応

例えば車で物損事故を起こした場合。


どこに電話して、どう対応するべきか分かりません。


不測の事態が起きた時は、どうしていいか分からず、ただただ固まってしまいます。


実際、車で物損事故を起こした際は、両親に連絡が入り、駆け付けるとその場に立ち尽くしていたそうです。


お金の管理

先ほどのスマホの話とも繋がります。


クレジットカードの限度額をオーバーする。


毎月注意しても、スマホでいろいろ課金する。(有料サイトや、ゲームに課金など)


自分で支払える範囲ならまだいいかもしれませんが、引落残高が足りず、携帯会社から連絡が来ることもしばしば。


自分で欲求をコントロールできない、先の見通しが立てられないのだと思います。


実家暮らしの妹は、毎月家に一定額のお金を入れる約束になっています。


しかし自分がお金を使いすぎた月などは、家にお金を入れないこともあります。


そして、家にお金を入れられないことを、両親には何も言わずにその場を乗り切ろうとします。


正直、この辺りは障害による幼さ故(怒られたくない等)なのか、そもそもの本人の性格なのか、はっきり分かりません


家にお金が入れられなくても、実家暮らしで、ご飯も出てきて、お風呂にも入れて、寝る布団もある。


きょうだい児の私の立場からすると、「甘い」としか言いようがないです。


親の立場と、兄弟の立場は違うからね・・・


母に言われたことがある言葉。


でも私は、それでは妹は成長しないと思っています。



文章を組み立てること

一番最初の就職先でも、文章を書くことが彼女を苦しめました。


「が」「を」「は」などの使い方が無茶苦茶。文章をうまく組み立てることができません。


また耳で聞いて、間違えて覚えている言葉も多いです。
【例:正) 身分証明  誤) 二分証明 】


SNSに投稿する程度の短い文なら、問題なく投稿できます。(ただし、2行の文章の投稿を作成するのに2時間かかるそうです)


長い文章になるとうまく組み立てられず、読み手に伝わらないことが多いです。



契約行為

車の購入や、スマホの契約などは1人ではできません。


必ず付き添っています。


ある程度金額が大きなものになると、事前の説明などが多くあり、それらをきちんと理解することが難しいです。


例えばスマホの契約をしに行ったときのこと。


書類に必要事項を記入する場面で、内容が理解できず、手が止まります。


すると横から私が、その内容を噛み砕いて説明します。


また、手が止まらなくとも、意味をはき違えて記入しているところもあります。

例:「年収」の欄に、「月収」を記入



必ず契約行為は、付き添って行うようにした方が良いです。


1人だと内容をよく理解できないため、高額な方を契約させられた過去もあります。


最後に



大人になって軽度知的障害と診断された私の妹のケースを元に、その特徴を紹介しました。


毎日生活する上での、自分の身の回りのことはある程度行うことができます


スマホなんかは驚くほど使いこなします。


しかし、使い過ぎにより限度が利かなく場面があるなど、自分の欲求のコントロールを行うことは難しいです


見た目がどうしても大人なので「1人でさせた方がいい」と思いがちですが、サポートが必要な場面は多々あります。


その見極めが、難しいなと思う今日この頃です。


もちろんこれは、私の妹のケースなので、個人差があります。


「こういうケースもあるんだな」「こういうことに注意しておいた方がいいんだな」「こんなことはできるんだ!」と参考程度に思っていただければ幸いです。

  • この記事を書いた人

ぷもち

35歳三姉妹の母(小学生・幼稚園・保育園)/ 軽度知的障害の妹を持つきょうだい児 / 生活支援員 / ブログ初心者

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