- 軽度知的障害者の姉の立場から発信
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- 妹をマルチ商法から脱却!
こんにちは!きょうだい児のぷもちです。
障害者雇用枠で働きたいけど、私の苦手なこと、配慮してもらえるのかな・・・
22歳のときに軽度知的障害と診断された妹。
診断前に勤めていた職場では、たくさんの壁にぶつかりました。
しかし、軽度知的障害の診断を受け、療育手帳を取得。
そして障害者雇用枠で就職。
障害者雇用枠で就職するということは、自分の障害を最初からオープンにしているということになります。
よって、最初から自分の苦手なことなどを伝え、仕事をする上で配慮してもらえる可能性があります!
障害者雇用枠での就職は、今の病院で2カ所目。
1カ所目の介護事業所も、今の病院も、どちらも妹の特性に合わせて、難しことは配慮していただきました。
配慮していただいたこと
文章を書くこと
妹は文章を組み立てたり、書いたりすることが苦手です。
障害者雇用枠で働く前、普通に就職して働いた介護施設では、妹が書いた文章が読めない、相手に伝わらないなどのトラブルがありました。
また、本人も文章を書くのにとても時間がかかり、毎日そのせいで何時間も残業していました。
具体的には
- 「~は」「~が」「~を」などの助詞がうまく使えていない
- 1つの文章の中に、同じ文を何度も繰り返して書く
- そもそもの言葉を間違えて覚えているものが多い(読み方、意味など)
- 書く字が雑で幼い(小学生の低学年の子どもが書いているような文字)
軽度知的障害だと診断される前は、文章がうまく書けないだけかと思い、勝手に学習障害かもと思っていました。
現在、障害者雇用枠で、病院に介護職員として勤務しています。
介護職員なので、利用者さんの体温や食事の記録などを記入しなければいけないのですが、
記録を記入することを免除してもらっています。
何かを記入するという苦手なことを免除してもらったことで、残業をせずに仕事を終えられるようになりました。
(もちろん、誰かが妹の代わりに記入していただけているということなので、感謝しかありません)
1人で行わないといけないこと
1人で行わないといけない=周りにサポートする人がいないという意味です。
妹の職場でいうと、具体的には夜勤帯の勤務を免除してもらっています。
夜勤帯の勤務を免除してもらっている理由
- 夜勤帯は、職員の数が少なく、1人で行わなければいけないことが多くなる
- 困りごとができたとき、それをサポートしてくれる人がいない
妹は、一度に複数のことを同時に行うことが難しいです。
軽度知的障害が分かったときに受けた知能検査でも、下記のような結果がでました。
知能検査の結果(一部)
- 一度に複数のこと伝えると、混乱する可能性がある
- そのため伝えるべき内容は、短く、簡潔に伝える必要がある
- 一斉に全体に声がけをするよりも、個別に伝えた方がよい
夜勤帯の時間は、職員の数が少なくなるので、自ずと1人が担う業務量が増えます。
一度に複数のことをしようとすると・・・恐らくフリーズしてしまうと安易に想像ができました。
業務量が増え、さらに困ったときに相談できる人もいない状況が考えられる夜勤帯は、総合的にみて最初から難しい旨を伝え、ご配慮いただきました。
【番外編】職場の判断で、妹に合わせてもらったこと
スマホを管理すること
これは、障害者雇用枠で最初に就職した介護事業所でご配慮いただいたことです。(この事業所では約6年お世話になりました。)
妹は勤務中、トイレにこもって、なかなか出てこないことが多々あったそうです。
恐らく、トイレの中でスマホを操作しているのであろうと、思われるとのことでした。
勤務中はスマホを触らないように、職場の方も注意してくれたそうです。
しかし、何度注意しても、妹は改善しなかった。
そこで、職場の方が
職場に来たら、事務所のケースにみんなのスマホを入れるようにしましょう!
と、ご提案してくださったそうです。
妹だけにそうすると、角が立つからと
その職場の職員さん、全員の方にご協力いただき、みなさん事務所にスマホを預けて勤務されたそうです。
こうすることによって、物理的に自分の手元から、勤務中にスマホがなくなった妹。
これ以降、トイレにこもってなかなか出てこないということはなくなったそうです。
この話を、妹の職場の方から伺ったときは、すごくショックでした。
勤務中に、プライベートなことでスマホを長時間触るなんて・・・
みんなが、言わずとも理解できるマナーが理解できていなかった。
もっともっと、当たり前のことも伝えていく必要があるなと思った
出来事でした。
この頃、ちょうどマルチ商法にはまり、頻繁にスマホでいろんな人と連絡と取っていたので
スマホが気になってしょうがなかったのだろうと予想できます。
仕事中に、プライベートのことで、長時間スマホを操作しない。
この仕事をする上でのマナーとも言えることが、妹は守れていない。
守れていないというより、分かっていない。夢中になり時間の感覚がなくなるという方が正解かもしれません。
それを改善すべく、職場のみなさんで一斉にスマホを手元に置いておくのをやめてくださった。
1人のために、周りの皆さんが合わせてくださったこと、感謝しかありません。
2カ所目の病院に勤務する際には私から妹に伝えました。
仕事中に、休憩でもない限り、プライベートなことでずっとスマホを触ってはいけないよ!
社会に出て、私たちが当たり前に守れているマナーが、妹にとっては当たり前ではないこともある。
伝えていかなければならないことは、まだまだたくさんあると実感しました。
最後に
障害者雇用枠で働く上で、配慮していただいていることの具体的なケースを3つ紹介しました。
(3つ目は職場の方からの積極的な働きかけによるものですが)
障害者雇用枠で働くということは、事前に知能検査を受け、障害者手帳を取得している状態です。
その検査の結果を元に、自分の得意不得意とすることを把握し、就職のサポートをする方と共有し、就職先の方に伝えるのが良いと思います。
また、勤務中にトイレでスマホを長時間触っていた件については、妹の勤務している職場に、就労支援センターの方と一緒に出向いたときに伝えられました。
「これくらいは当たり前に分かっているであろう」と私が思っていたことが、分かっていなかった。
私もその都度都度で発見があります。
発見があるたびに思うことは、精神年齢が8歳くらいだったということを忘れずに、
「これ、8歳くらいの子どもなら理解できるかな?」と、まずは私自身も想像してみるようにしています。
どうしても見た目が大人なので、ついつい忘れがちですが、
何かの壁にぶつかったときは、原点回帰するようにしています。